技能実習、留学生から「特定技能」へ。国内の外国人が移行するケースとは?⑩
2021年12月6日
コロナ禍で外国人労働者や留学生の意識に変化が!?
新型コロナウイルスで大きな影響を受けた分野というと、まず宿泊や外食業などが思い浮かびますが、それだけにとどまらず、多くの業界が停滞を余儀なくされました。
農業や漁業、建設などの分野は、季節や天候に左右される職種で、収入が不安定という特性がもともとありました。たくさん働いてお金を稼ぎたい外国人にとっては、思うように働けないという実情がありました。そこにコロナ禍が重なり、稼働できる日が激減し、働けず稼げない深刻な状況に陥っています。
そうした状況において、「介護」が注目され始めています。季節や天候、また社会の動向や景気に関係なく、1年中働くことができ、求人が常に途絶えることがない業界だからです。ここにきて、安定した業種として外国人が関心を寄せているのです。
また、日本に留学している留学生の中にも、在学中に特定技能の試験を受ける学生が増えています。
昨年まで、留学生に多く見られたのは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を目指して、日本語学校→専門学校→大学・短大(または日本語学校→大学・短大)へ進むコースでした。日本で学業と並行してアルバイトでお金を稼ぎ、その間に就職活動をするケースです。
しかし、大学や短期大学・専門学校を卒業しても日本で正社員として働ける可能性が低いことにコロナ禍が加わり、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得を諦めて、特定技能に活路を見出す留学生が増えているのです。
特定技能がスタートした当初は、介護以外の分野に注目が集まっていましたが、コロナ禍でも影響されにくい介護分野に関心が集まってきました。